近年少年による凶悪犯罪が増えたと言われるようになって久しいですが、
その根底には「少年達が命に価値を見いだしていない」ということが大きいと思われます。

どうして「命の大切さ」を教えるのが難しくなっているのか?

第二次ベビーブームに生まれたわたしは「命の大切さ」をあらたまって教えられた記憶はありません。
しかし「命の大切さ」については、子どもの頃から体にしみついた形でわかっていたと思います。
その理由を昭和48年と平成27年を私なりに整理してみると、次のようなものでした。


  1. 兄弟姉妹も近所の友達も多く、群れをなして遊ぶ中で、たとえ喧嘩をしても急所は蹴ってはいけないとか、卑怯なことはいけないということを、子ども同士の中で教えられました。

  2. 娯楽自体が少なかったので、一家団欒の中心はテレビで、テレビを通じて知りえた情報が夢や希望、知識に繋がっていました。

  3. 出産も闘病も老衰も死も、日常生活の中にあり、幼少期から生老病死を自然な人間の営みとして、身近に見ていました。

  4. 親子三代同居または近くに住んでいる方が多く、子どもの数も多かったので「人の道」から外れた生き方はやってはいけないことや生活の知恵が、家族の文化として日常生活の中で伝承されていました。

  5. 貧しい家が多かったことから、子どもでも自分で自分の生活に責任を持ち、早く自立しなければならないという自立心を十代半ば頃には持っていました。

これに対し、現在はどうなっているかを比較してみると。

  1. 兄弟姉妹が少なく、近所の子どもも少ないので、屋外で群れて遊ぶことはほとんどありません。このため家の中や外での遊びの中で、社会性を身につける機会が少ない。

  2. テレビやゲームで暴力や殺戮の過激な映像が日常的に接するようになったうえに、子どもの心の中ではバーチャルな映像が現実的体験よりも優位になってしまうため、残虐行為に対する抵抗感が稀薄になってより強い刺激を求める傾向が生じている。

  3. 生老病死が病院や施設内でのことになってしまったため、命をおしむ心が育ちにくくなっている。戦争を映像でしか知らないので殺戮をゲーム感覚でしかとらえられない。

  4. 核家族化により祖父母の死にふれたり命の誕生の喜びを実感できる場が少なくなり生きる知恵や、やってはいけないことの心得などが伝承されにくく、大事な家族文化が断絶している。

  5. 経済的に豊かになったことが子どもの自立心の形成を遅らせているうえに、物に対する欲望を膨張させ、お金欲しさに走らせる要因になっている。

このような状況から考えると、子どもたちに自分や他者の命というものを実感的に理解させ命を大事にする心を育てるには、家庭や地域や保育園・幼稚園や学校や自治体・国などあらゆる次元で多様な取り組みをしなければならないことがわかります。
そうした取り組みの核心は、子どもたちにバーチャル映像情報に接する時間を極力少なくして、生身の人間同士の接触や自然環境の中での遊びや生き物にふれるといった現実体験を多くすることだと、私たちは考えています。それは、子どもたちに感情のきめ細かな分化発達や考える力と言語力の発達をもたらすものでもあります。


今、子どもたちに「命のかけがえのなさ」をどう伝えていけばいいのでしょうか。


ドッグ介在教育は・・・

動物を愛するスタッフとボランティアが犬を伴って幼稚園や小学校などを訪問し、 子どもたちに犬との触れ合いを通して「命あるもの」「温かいぬくもり」を体験し、子どもの心を育み 動物愛護の精神や動物とのつき合い方、共存共栄を教える活動です。

※犬のにがてな子どもやアレルギーのある子どもは触れずに観察することもできます。 訪問活動では、最初に犬の性質や特徴、ふれあい方の基本を説明します。

正しい犬の付き合い方ができる人材を育成するとともに、犬を飼うためには犬の知識が必要であることを人々が理解し、身近なところから伝えてもらえるように働きかけていきます。

理事長からメッセージ

未来の主役の子どもたち 教育効果としては、IQや知識を高めるといった個々の子どもの能力の開発は大切ですが、結果的に教育の成果が人間社会と人間以外の生物に対してどのような貢献ができるのかが重要であると考えています。 言葉を持たない犬との交流を通して、犬の気持ちや痛みを察する心と習慣を身につけ、 悪いことをしたら自分が悪いと認め「ごめんなさい」と言える。 犬が病気やケガをしたら悲しいという気持ちをきちんと表現できる。 犬が言うことをきかず、しつけができなかったら悔しいと感じがんばることができる。 腹立たしい状況を自分なりに抑える。など社会的に身につけさせる機会をあえて設け、将来、社会に出ても必要となる力を培うことができます。

ドッグ介在教育を広げることが目的なのではなく、一人でも多くの子どもたちが犬の「ぬくもり」「いのち」「他者をいたわる心」「思いやり」「感情のコントロール」子どもたちに多彩な感性を育ててもらいたいと思います。そういった教育環境の整備を広げるために、ともに社会を変える仲間になってください。

子どもたちの未来を育むために、できることがあります

私たちが目指す「ドッグ介在教育」の目標とは、「犬との関わりを通して、他者(人類だけではなくすべての生物を含む)の存在を認め、命の大切さを知り、自分が生きるためには他者の力が必要であることに気づき、他者と共存しながら生きてゆける子どもを育てる」ことにあります。
ドッグ介在教育を提供するための財源を支えているのは、寄付制度(サポート隊員)です。

子どもたちの未来につながります。
あなたのお気持ちにあった方法で、
ぜひ、ご協力をお願いいたします。

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