犬との関わり(犬猫殺処分ゼロ活動) 殺処分への取り組みその2
ペットブームによる悲劇
~たくさんの いぬたちが捨てられています~
いぬと正しく暮らすと身体的な健康だけでなく、心の健康にもプラスの影響を与えてくれます。
いぬとの生活は、癒し効果はよく知られるところですが、いぬと正しく付き合う人々は、うつの症状の報告も少ないことが確認されました。
心配事があるときや落ち込んでいるときは、いぬは飼い主を慰めたり元気づけてくれる存在でもあります。
また、時にはまるで小さな子どものように微笑ましい行動をとって飼い主に笑顔をもたらしてくれます。
既にいくつかの研究で、いぬを飼うことが、精神的なストレスと孤独感のレベルを下げ飼い主の精神的健康に良い影響があることが示されています。
そんな存在だからこそ、飼い主のストレスが軽減され血圧やコレステロール値を下げて、心臓発作後のより迅速な回復、がんのリスクを低下させるという報告もあります。
さらにいぬとのふれあいで、幸せを感じるセロトニンや、やる気を出すドーパミンがより多く分泌されることも指摘。
毎日の愛犬との散歩や決まった時間に食事をあげることも、飼い主の規則正しい生活を促し、特に年配の方にとっては「元気でいたい」という、モチベーションにもなっていると言います。
実際に、肥満の予防、さらには高血圧や糖尿病、高コレステロール値を防ぐためにも役立つというのです。
加えてこの結果は、犬を飼うことが、安心感や社会的な相互作用の促進など、社会的支援を提供することも示しています。
そんな多くの いぬが家族の一員として大切に育てられる一方で飼い主が自分勝手な理由で、愛犬を捨てることもあるのですがブリーダー(ここでは繁殖業者といいます)が、不用意な繁殖によりいぬを捨てる社会問題が起きていることも事実です。
2014年だけでも
栃木県 | 80頭余り | 群馬県 | 30頭余り |
---|---|---|---|
佐賀県 | 18頭 | 埼玉県 | 46頭 |
「なぜ、繁殖業者が次々といぬを捨てるのか!?」
~繁殖業者の増加~
2014年最初に明らかになったのは栃木県。
チワワ トイプードル 等 ペットとして人気の小型犬ばかりが捨てられていました。
捨てられた子達は出産を繰り返している痕があったり去勢や避妊などの処置が行われていませんでした。
捨てられた背景に、繁殖業者の取り巻く環境が厳しさを増しています。
原因として、
法改正によって、業者が保健所に動物を持ち込めなくなったことが事件のきっかけと見る声もあるようですが、
必ずしも法改正だけが事件の要因とは言えません。そもそも法改正前から、業者による10匹や20匹の大量遺棄事件は起きていました。
個人遺棄にいたっては日々各地で起きています。
また、保健所での引き取りが義務だった法改正前でも業者からの引き取り要請には応じない』という自治体も半分くらいありました。
むしろ、劣悪な環境で飼育し、爪は伸び放題・毛はボサボサ・虐待を行っているいろんな犬種を効率第一で大量繁殖して、たくさん売ろうと考え方の悪質な繁殖業者の供給過多により販売価格が大幅に下がり利益が上がらなくなり悪質業者の経営状態が悪化したことが大きな要因だと思います。
終生飼養
動物を飼うことは、その命に最期まで責任を持つということです。
安易な気持ちで飼い始めると、その動物はもちろん、
飼い主にとっても不幸な結果を招く可能性が高くなります。
経済的な負担、引っ越しや子どもの進学など家庭環境の変化等を
しっかりと考慮したうえで飼うようにしましょう。
適正飼養
動物は、本来、野生の環境で生きていたものです。
人間社会の中で生きていくためには、人間社会のルールに従う必要があります。
動物は自ら人間社会のルールを学ぶことができないため、それを教えることは飼い主の義務になります。
そのため、適切なしつけを行い、周辺に迷惑をかけないようにすることが必要です。
また、清潔な環境で適切な給餌給水を行い、動物がストレス無く暮らすことができるよう努力することも、飼い主の義務です。
まず本当に いぬと暮らしたいか考えましょう
- 家族は全員動物を飼うことに賛成していますか?
- 家族に動物アレルギーを持っている人はいませんか?
- あなたの住まいはペットを飼える住居ですか?転居や転勤の予定はありませんか?
- 近隣に迷惑をかけないように配慮できますか?
- 飼いたい犬種はあなたのライフスタイルに合っていますか?
- その犬種の一生にかかる費用を考えてみましたか?
- 毎日欠かさず世話に手間と時間をかけられますか?
- あなたの体力で世話のできる犬種ですか?
- 愛犬に何を求めますか?
- 生涯にわたる計画をたててみましたか?
- 万一、飼えなくなったときのことを考えていますか?
- どこでいぬを手に入れますか。ブリーダー、動物愛護センター、ペットショップ?
ブリーダーやペットショップで質問してみましょう
- この犬種を扱うようになってからどのくらいになりますか?
- 毎年、どのくらい繁殖をしているのですか?
- こいぬの父犬と母犬は何歳ですか?
- この犬種が抱えている健康上の問題は何ですか?
- 両親犬は今までにてんかん発作やブロート(胃捻転)を起こしたり、その他健康上問題を抱えたことがありますか?
- こいぬは生後どれくらいで渡してもらえるのでしょうか?
- こいぬをいただく前に獣医師のチェックをしていただけるのでしょうか?
- こいぬをいただく時、予防注射は打ってありますか?
- こいぬは渡される前に駆虫してありますか?
- こいぬをいただく前に、グルーミングしてもらえますか?
- こいぬの金額はどのくらいですか?
- 自分の好みにあうような、こいぬを兄弟犬の中から選ばせてもらえますか?
「街角のペットショップで こいぬを見たとき、その親犬はどうなっているだろう」
と考える人は少ないのが現状です。
こうした悲しい事件をなくすには、業界自体を根本から変えるしかないとわたしは思い、日々精進しております。
「飼いはじめたら、最後まで適正に飼うこと(終生飼養)」
「ペットがその命を終えるまで、適正に飼う」
その自信と覚悟がなければ「飼わない」こともペットへの愛情です。
また、自分は絶対に大丈夫と思っていても突然の生活の変化や災害や飼い主の病気などで飼育することが難しくなることもあり、その対策もあらかじめ考えておきましょう。
万が一に備え、ペットを預けられる人を見つけておくことも必要です。
また、ペットが病気になったり、年をとって介護ができないなどの無責任な理由で飼い主が自治体の保健所や動物愛護センターへ、ペットを持ち込んだ場合に、自治体はそのひきとりを拒否できるようになりました。
そして犬やネコなどのペットを飼い続けることができず遺棄した場合100万円以下の罰金となります。
このように いぬやネコなどのペットを飼うためには、飼い主としての覚悟と責任、努力が求められています。
今現在も多くの いぬやネコが飼育放棄され、自治体の保健所や動物愛護センターに持ち込まれています。
途中でペットを見捨てず最後まで、適正に飼うために
これからペットを飼おうとしているあなた
「ペットの命をあずかり 最後まできちんと飼える自信と覚悟はありますか?」
ペットを飼っているあなた
「ペットの命をあずかる責任を果たせていますか?」
飼い始めたその日から、ペットの命はあなたにゆだねられているのです。