犬が持つ、無垢で温かな「癒やしの力」。その素晴らしい力を、本当に必要としている人たちに届けるために。
私たちのセラピードッグ育成は、特定の誰か一人ではなく、多くの人々の愛情と専門性によって支えられています。
穏やかな気質を持つ犬たちを、計画的なブリーディングを通じて大切に育て上げること。そして、殺処分の危機にある保護犬たちに、セラピードッグという新たな人生を拓くこと。これら二つの大切な柱が、私たちの活動の根幹を成しています。
そして何よりも大切なのが、人と犬が共に成長する「チーム」です。
犬を愛するプロのハンドラーや訓練士、活動を支えるボランティア、そして、障害のあるスタッフ。様々なメンバーがひとつのチームとなり、それぞれの知識と愛情を注ぎ込むことで、一頭の犬が、人の心に寄り添うかけがえのないパートナーへと成長していきます。
ここは、犬と人が互いに学び、支え合い、共に輝く物語が生まれる場所です。
私たちの育成は、子犬が生まれる前から始まっています。穏やかな気質を持つ親犬を選び、計画的にブリーディングしています。子犬たちは生後60日間、母犬や兄妹犬とたっぷりと時間を過ごし、犬社会のルールや社会性を自然に学びます。この期間は、情緒の安定した、健やかな心を育むための何より大切な土台です。

母犬のもとを巣立った子犬たちは、私たちの「チーム」の一員となります。プロの訓練士、ボランティアハンドラー、そして障害のあるスタッフなど、たくさんの愛情豊かな手の中で、人の温もりや優しさを全身で学んでいきます。多様な人々との穏やかなふれあいが、「人間は信頼できる存在だ」という安心感を育むのです。

専門のドッグトレーナーが中心となり、チーム全体で本格的なトレーニングを進めます。私たちは、犬を画一的に育てるのではなく、一頭一頭の個性や得意なことを見極めることを大切にしています。また、清掃や日常のお世話といった活動にいろんなスタッフや犬に詳しいボランティアが主体的に関わることで、彼らが犬たちに寄り添い、絆を深める大切な時間となっています。

基礎的な訓練を終えたセラピードッグ候補犬たちは、高齢者施設や学校、病院などを訪問する実地訓練を重ねます。ここでは様々なハンドラーとペアを組み、多くの人とふれあう経験を通じて、どんな環境でも落ち着いて対応できる応用力と自信を育みます。訪問先の方々の「ありがとう」という笑顔は、犬とハンドラー双方にとって、何よりの喜びと自信となります。

すべての訓練課程を終え、厳正な認定試験に合格して、初めてセラピードッグとして認められます。それは、私たちのチームが愛情と時間をかけて育んだ、努力の結晶。そして、犬と人が共に可能性を広げ、社会に貢献していく希望の物語の始まりです。
私たちは、計画的なブリーディングと並行して、殺処分の危機にある保護犬をセラピードッグとして育成する活動も行っています。
つらい過去のある犬たちも、私たちのチームが時間をかけて心と体のケアを行い、再び輝きを取り戻した子たちが、セラピードッグとして活躍しています。彼らが人々に届ける笑顔には、命の尊さ、そして希望を伝える力があります。